• SM文章と”めくばせ”
    前回、村上春樹氏の書籍に2ミリぐらい触れたので、今回は文体の話。ちゃんとSMの話につながる。子供の頃、ミヒャエル・エンデ「はてしない物語」にハマったことがある。主人公バスチアン・バルタザール・ブックス(B.B.B)が本を読むうちに、本の中に入り込み、その中で大活躍をする。そのうちに本から出られなくなり・・・というお話。今でもファンタジー冒険ものの傑作だと思う。本を読んでいる時、人はみな本の中に入り込んでいる...
  • 後ろ手とミロのヴィーナスとジキルとハイドと
    後ろ手に拘束された奴隷は美しい。私のフェチの一つだけれど、同意する人も多いのではないか。今回はその分析。やや猟奇的な表現を含むので閲覧注意。昔、清岡卓行「ミロのヴィーナス」を読んで以来、後ろ手の美しさは「隠された手への希求憧憬の念」から生ずると思っていた。「ミロのヴィーナス」は高校の教科書にも採用されているので、読んだことがある人もいるのではないか。引用してみよう。"ふと気づくならば、失われた両腕...
  • 書評 ソドムの百二十日
    SM古典、「ソドムの百二十日」(マルキ・ド・サド)についての書評。汚物、グロ表現を含むので閲覧注意。日本語訳の書籍についてもともと、4章まであるサドの原稿のうち完成しているものは序章と1章のみ。2、3、4章は箇条書きのメモのような形式。澁澤龍彦訳(河出文庫)のものは、序章のみの抄訳となっているので注意。もしこれから購入するなら、佐藤晴夫訳(青土社)の全訳版[*1]が良いと思う。英語でよければ、こちらに全文が...
  • 奴隷の論理学
    専業奴隷の経済学1、2の結論は「経済合理的に考えると、専業奴隷の道はなかなか険しいぞ。」であった。でも「合理的とか非合理とか関係ない。ご主人様についていきます」という奴隷さんもいるだろう。これは危ういけれど、とても強い考え方だ。いかにして強いか。今回は「信念は合理に勝る」というお話。例によって活字が多いので、太字で飛ばし読み可能。まず論理学について簡単に説明する。「Aという前提のもとでBが正しい」とい...
  • 専業奴隷の経済学 3
    さて、専業奴隷の経済学1、2で述べた結論は、「経済合理的に考えると、専業奴隷の道はなかなか険しいぞ。」であった。じゃあどうすればいいのよ、とお怒りのM女さんに向けるのが今回の内容。でも魔法のように生活費が湧いてくるわけではないので、そこのところよろしく。1 兼業奴隷、2 探求者奴隷、3 非合理の果てに、の3つに分けて書く。1 兼業奴隷専業がダメなら兼業にすればいい、というのは当然の発想。社会生活をまあまあ重視...